作文コンクール 
くらしの文集

 

6年生の作品

6年生  「小さな親切」運動賞

ごみ拾い大作戦

阿賀小 六年 坊 野 穂 稀

「ありがとねぇ。」
「すごいね。みんなのためにありがとう。」
「本当に助かったわ。ありがとう。」
 私は、五年生のとき、ごみ拾いをしました。その日は学校が早く終わる日でした。公園で遊ぶために、家に帰ってランドセルを置いて、わくわくしながら家を飛び出し、自転車に乗り公園に向かいました。
 いつものように遊んでいると、公園の植木や地面にたくさんのごみが落ちているのが気になりました。(なんで、こんなことになっているの。誰がこんなひどいことを。)と思いましたが、そのときは考えるのをやめて、みんなといっしょに楽しく遊びました。
 少し時間が経ったとき、私は見てしまいました。食べ終わったおかしのふくろをぐちゃぐちゃに丸め、見えないように近くの大きな植木の中につっこむ人を。
 地球の環境を守るためのたくさんのプロジェクトが、今も世界中で行われています。私はごみだらけの景色を想像するときょうふを感じます。私は、(ごみ拾い、やってみようかな。)と思いました。しかし、私は、そうじやごみ拾いなどは、あまり好きではありません。また、地域のボランティア活動のようなこともしたことがないので、ごみ拾いなんて今までやろうとしませんでした。なかなか機会が無かったからです。このとき、私は、あることを思い出しました。
「公園にたくさんのごみが落ちていてこまっています。このままだとみんなの公園がどんどんよごれていってしまいます。」
先生方が、最近何度もくり返し校内放送でよびかけていました。
「だれかごみ拾い、いっしょにしよう。」
 近くにいる友達二人に声をかけ、三人でいっしょにごみを拾うことにしました。
「前から気になっとったんよ、このごみ。」
友達も私と同じ気持ちだったようで安心しました。
 早速大きなビニールぶくろを手に持って、ごみをみんなで拾い始めました。まずは公園の中をそうじしていきます。
「広いからみんなで分担しよう。」
と、三人が散らばってごみを拾っていくことにしました。
 私は、最初に植木をそうじしようと思い、中をのぞいてみました。すると、ペットボトルや小さなあめのふくろ、アイスクリームのぼうなど、色々なものが大量に入っていました。中には、粉々に割れて散らばったびんのかけらもあってびっくりしました。私は、植木の中に手を入れました。植木の枝が手に当たって痛かったけれど、一生懸命ごみを集めました。
「そっちはどう。」
 三人で声をかけ合いながら公園の中をきれいにしました。次は、公園の周りをそうじします。
 みんなで公園から出て一本の長い道を見わたすと、ここにもごみが広がっていました。
みんなで、
「これは大変だね。」
と言いながら歩いていると、ジュースの空きかんやおかしのふくろ、ペットボトル、ビニールぶくろなどのごみが落ちていました。中には、こわれているかさやダンボール、ライターやガラス、機械の部品やくぎなど、危ないものも落ちていました。そして、道路の方にまで散乱したおかしの袋やビニールぶくろが、風が吹くとまるで意思があるかのように、ひらひらと、私たちから逃げていくのでした。
 私たちは、一時間ぐらいかけて、ごみ拾いをしました。へとへとになりながら、ごみがパンパンに入った重たいビニールぶくろを持ち上げ、集めたごみを学校に持って行きました。
「すごい。ありがとう。」
と、先生方は目を丸くして言いました。その顔を見たしゅん間、私は、(人の役に立つことってこんなにも楽しいんだな。)と初めて知りました。そして、「ありがとう。」という言葉は、人を元気にすることができるんだと知り三人で顔を見合わせ、にっこりと笑い合いました。
 私は、この経験を通して、ごみを公園や道に絶対に捨てないと決めています。私の住む阿賀の町には、ルールやきまりを守る優しい人がたくさんいてほしいなと思います。
 私は、これまでごみ拾いにはあまり関心がありませんでしたが、終わってみると、(やってよかった。)と思うように見方や考え方が変わりました。ごみを拾うことで、公園がきれいになって気持ちもスッキリするし、達成感も味わうことができました。また、色々な人に「ありがとう。」と言ってもらえることもとてもうれしかったです。

ごみ拾い活動を通して、公園がきれいになっていくだけではなく、先生方や地域の方に感謝される喜びを心情表現によりきめ細やかに表しています。また、坊野さんの一生懸命ごみを拾い自分の住んでいる地域を大切にしたいという強い思いをもって頑張る様子がとてもよく伝わり情景が鮮明に浮かんできました。
 終末の「阿賀の町には、ルールやきまりを守る優しい人がたくさんいてほしい」という願いは、ごみ拾い大作戦によって広がっていくと思います。
 地域のために前向きに力強く頑張る坊野さんを応援したい気持ちでいっぱいになりました。

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