作文コンクール 
くらしの文集

 

5年生の作品

5年生  特選

ぼくにできるSDGs

昭和中央小 五年 檜 田 伸太郎

「やっぱり魚はかわいいなあ。」
ぼくは、魚が大好きです。しょう来のゆめは、自分の水族館をつくることです。
 ある日、ぼくは大好きな魚の図かんを読んでいました。その図かんには、ぼくの大好きな海の生き物であるカメが、クラゲとまちがえて、ビニールぶくろを食べてしまったり、アザラシなどの生き物が、海にあるゴミに引っかかって、うまく泳ぐことができず、おぼれて死んでしまったりすることがよくあると書かれていました。また、水族館に行ったとき、実さいに魚が食べてしまったプラスチックのゴミがてん示されているのも見ました。(こんなかん境問題があったんだな。)ぼくは、自分の大好きな海の生き物がそのようなことになっていると知り、とてもかわいそうに思いました。(何かぼくにできることはないのだろうか。)そう思いながら図かんを読み続けると、SDGsという言葉が目に入りました。ぼくは、SDGsがどのようなものなのか、とてもきょう味をもちました。
 SDGsとは、「世界中にあるかん境問題・差別・ひん困・人けん問題といった課題を世界のみんなで二〇三〇年までに解決していこう」という計画・目標のことです。さらに調べていくと、SDGsは、ぼくが心配に思っている海のかん境問題にも大きく関わっていることが分かりました。そして、SDGsの中には、ぼくにもできることがあるということを知りました。
 ぼくは、それから自分にできるSDGsについて、調べるようになりました。何日も時間をかけて、タブレットで調べ、調べたことを少しずつまとめていきました。まとめていくにつれて、ぼくが、ふだんの生活の中でできるSDGsには、なるべくペットボトルを使わず、水とうを持ち歩くことや、食品ロスをなくすことがあると分かりました。それなら、すぐにぼくにもできそうでした。
 でも、ぼくはこのSDGsの取り組みを、自分だけではなく、少しでも多くの人に取り組んでほしいと思いました。(この取り組みを、クラスのみんなに伝えたい。)ぼくは、お母さんに相談しました。
 お母さんは、
「いいね。先生に聞いてみたらどうかな。」
と言いました。
 次の日、ぼくはさっそく担任の先生に言いに行きました。すると、先生は、ぼくがまとめたタブレットの資料を見て、
「ぜひクラスで発表してみてください。」
と、言ってくれました。
 そこからぼくは、クラスのみんなにSDGsのことを伝えるためのじゅんびを始めました。(調べたことを早くクラスのみんなに見せたい。)という思いが強くなってきました。
 そして、クラスのみんなにSDGsについて発表する日。担任の先生が、クラスのみんなに、
「今日はSDGsについて発表してもらいます。」
と言い、ぼくを教室の前によびました。ぼくが教室にあるテレビにタブレットをつなげると、調べたことがテレビにうつし出されました。クラスのみんなも、静かにぼくの話を聞いてくれました。発表の中で、
「二〇五〇年には、海に流れてくるプラスチックのゴミが、百二十トン以上になって、魚よりプラスチックのゴミの方が多くなるかもしれません。」
と伝えると、クラスのみんなが、おどろいた表情になりました。また、自分たちができるSDGsについても、クラスのみんなに伝えました。
「まだ食べられるのにきらいだからといって残すのは、食品ロスになってしまいます。食べきれないと思った給食は、食べる前に減らすことで、食べきれる人が食べてくれるかもしれません。それが、食品ロスを減らすことにつながり、さらにそれがSDGsにもつながるのです。」
 クラスのみんなが真けんに話を聞いてくれました。ぼくは、(みんなの前で発表してよかった。)と思いました。
 また、数日後、ぼくの発表を聞いたクラスの友達も、SDGsについて調べ、食品ロスについてポスターを作ってくれました。また、クラスの給食の食べ残しも減ってきました。ぼくは、担任の先生から、「クラスのかん境博士」というしょう状をもらいました。br />  ぼくたちのしているSDGsは、世界から見たら、小さなことかもしれません。だけど、まずはぼくが、そしてクラスが、学校のみんなが、少しずつSDGsの輪を広げていったら、大きな取り組みにつながるはずです。世界中のみんなでSDGsに向けた取り組みを進め、ぼくの大好きな海の生き物の住みやすいかん境をつくっていきたいと思います。

世界的な取組であるSDGsについて、自分が大好きな魚の環境と関わらせながら、日々の生活を見つめることができましたね。
 何かできることはないかと考え、タブレットで調べたり、クラスメイトに発信したりした檜田くんの熱い思いが、課題発見、取組、目標という文章構成に現われていました。
 檜田くんの取組が、クラスの取組となり、次は、昭和中央小学校全体の取組となって、SDGsの輪が広がっていくことでしょう。これからも、「クラスの環境博士」として、活動を続けていかれることを期待しています。

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