作文コンクール 
くらしの文集

 

5年生の作品

5年生  特選

牛にゅうパックリーダー

横路小 五年 河 野 陽 斗

 ぼくは、牛にゅうパックリーダーだ。何をするかというと、みんなが飲み終わった牛にゅうパックをきれいにたたみ直し、クラスで二つのパックにまとめる仕事をしている。これは、ぼくと友達の二人だけの特別な仕事だ。ぼく達は、だれよりもきれいに、三十三個の牛にゅうパックを二つだけにまとめる技をもっている。しかし、ぼくは初めからやる気で牛にゅうパックリーダーになったわけではなかった。
「河野くん、牛にゅうパック係しよう。一しょに牛にゅうパックをきれいにまとめよう。」
 五年生になったある日、友達がさそってくれた。
「あ、うん。」
 思わず、返事をしてしまった。友達は係活動で決まっていない時から、
「きれいに入れようよ。」
とみんなに声をかけながら、牛にゅうパックをまとめてくれていた。その様子をいつも見ていたぼくは、
(少しでも手伝えたらいいな。)
と思い、何となく一緒に係活動をすることにした。
 初めての活動の日。友達は慣れた手つきで牛にゅうパックをきれいにまとめていく。しかしぼくは、
(人が飲んだ後の牛にゅうパックをもう一度たたみ直すなんて。適当にしようよ。)
とマイナスな気持ちが行動に表れ、手が進まない。
「指先にぐっと力を入れたら牛にゅうパックはもっとぺたんこになるよ。」
 友達は自分の仕事の他に、クラスの人にアドバイスまでしている。そして、一つの牛にゅうパックの中に、下の段に九個、上の段に十個を入れるという神業までたたきだしたのだ。
「どうしてこの仕事するの。」
と、友達に聞いてみた。すると、
「きれいだと気持ちいいでしょ。自分もみんなも。」
と教えてくれた。確かに、きれいに並んだ牛にゅうパックはとても気持ちがいい。そして、
「クラスの友達もいつもありがとうって言ってくれるんよ。」
と付け足した。
(そうか。自分の行動が誰かの役に立っているんだ。何て気持ちがいい仕事なんだろう。)
と思い直した。
 それから、友達と一緒にする牛にゅうパックリーダーの仕事が楽しくなってきた。
 毎日給食当番が、
「ごちそうさま。」
と給食室に返す牛にゅうパックがいつでもまっすぐできれいに並んでいる。そんな牛にゅうパックを見て、
「今日の仕事、完了。」
と友達とにっこりした。
 ある日、友達が、
「ぼくらは牛にゅうパック完ぺきにきれいにできるけど、クラスのみんなができるように呼びかけようよ。」
と提案してきた。
(なるほど。みんなが牛にゅうパックをきれいにできると、もっといい気持ちになりそうだな。)
と思い、賛成した。
 ぼく達は、タブレットで「牛にゅうパックをきれいに折るコツ」と題して、簡単な説明動画を作った。どの部分を折りたたむと軽い力できれいにたためるのかというポイントを紹介した。クラスのみんなも、
「上手くできたよ。」
と持ってきてくれるようになった。気のせいだろか。牛にゅうパックがきれいにたためるようにつれてクラスの人の笑顔が増えている気がした。
 ぼく達はさらに相談して、クラスの人がもっと楽しく牛にゅうパックをたためるようにと「牛にゅうじゃんけん」を取り入れることにした。五年生から新しくなった牛にゅうパックは、うまくたたむと牛にゅうパックに書かれた「グーチョキパー」のマークが見える。それを使って、きれいにたためた人はぼくたち牛にゅうパックリーダーとじゃんけんをすることができるのだ。
「今日の占いみたいだよ。」
と、クラスの人も楽しんでくれた。さらに、牛にゅうパックもみんなきれいにたためるようになってきたのだ。楽しくきれいにたためるなんて、最高だ。いいことしかない。
「ぼくの牛にゅうパック、合格かな。」
 今日もクラスの友達がぼくたちに牛にゅうパックを持ってくる。
「合格。牛にゅうじゃんけんしよう。」
 ぼくは、笑顔で牛にゅうパックリーダーを最後までやりきることをちかった。

友達に誘われ、何となく給食の牛乳パックを集める係になった河野さんが、しだいにリーダーとして前向きに取り組むようになるという作品です。
 文章構成がすっきりしていて読みやすく、自分の気持ちが変化する出来事に焦点を当てて書かれています。また、河野さんの素直な思いが、地の文や心内語で豊かに書き表されています。
 任された仕事をするだけでなく、様々なアイデアを提案して、クラスのみんなにも牛乳パックをきれいにまとめる取組を広げていく河野さんたちの姿は、まさにリーダーにふさわしいなあと感じました。これからもますます活発に活動されるよう願っています。

前のページに戻る

もみじ銀行

Copyright(C)  THE MOMIJI BANK, Ltd. All Rights Reserved.