作文コンクール 
くらしの文集

 

4年生の作品

4年生  特選

ぼくのひみつ大作せん

横路小 四年 宮 﨑 理 仁

「おはよう。」
 ぼくは、おばあちゃんに毎朝あいさつをする。ぼくのお父さんとお母さんは、仕事をしていて朝早くに家を出る。だから、ぼくはいつも朝、おばあちゃんの家に行く。ぼくのおばあちゃんはとてもパワフルだ。ぼくが学校から帰って宿題を終わらせたら、いっしょにドッジボール、野球、サッカー、あやとりなどをして遊んでくれる。そんなパワフルなおばあちゃんが、去年の七月くらいから元気がない。心配になって、お母さんに、
「おばあちゃん、最近元気がないね。何かあったんかね。」
と聞いてみた。すると、
「ばあちゃん、最近夜ちゃんとねれんで、目がくるくる回ってしんどいんだって。」
と、教えてくれた。ぼくは、それを聞いてとてもおどろいた。ぼくは子どもだし、お医者さんでもない。だけど、おばあちゃんの力になりたいと思った。ぼくにもできることはないか必死に考えた。
 そこで、ぼくはある作せんを思いついた。まず、朝会ったら元気なあいさつをして、ぼくのパワーをおばあちゃんにおすそ分けする。そして、学校から帰ったら、学校でがんばったことやうれしかったことをたくさん話す。(この二つのことをやってみよう。そして、おばあちゃんを元気にしてみせるぞ。)と思った。さっそく次の日から、作せんを実行してみることにした。
「おっはよう。」
と、ぼくは大きな声でおばあちゃんに朝のあいさつをした。すると、おばあちゃんも、
「おはよう。」
と、笑顔であいさつを返してくれた。学校から帰ってきて、
「今日は学校で発表がんばったんよ。」
と、ぼくが言うと、
「すごいじゃん。」
と、おばあちゃんはよろこんでくれた。その様子を見て、(この調子で作せんを続けてみよう。)と思った。それから、ぼくはこの作せんを続けた。けれど、三年生の夏休みの間、おばあちゃんの体調がとてもつらそうな日が続いた。(ぼくの作せんは意味がなかったのかな。)とふ安に思っていた。けれど、ある日、おばあちゃんが、
「まあくんと話すと元気が出るわ。ありがとね。」
と言ってくれた。その言葉を聞いて、(よかった。このままぼくの作せんで、元のパワフルおばあちゃんにしてみせる。)と強く思った。二学期に入っても、引き続き元気にあいさつを続けた。学校で代表委員に選ばれたことや、うれしかったことなどもいっぱい話した。そんな日びが続いたころ、おばあちゃんから、
「今日一日体調がよかったわ。」
「元気が出る時間がふえたよ。」
とうれしいほうこくを聞くことがふえてきた。近くの公園で、ピクニックをしたり、自然を見たりすることができるようになった。ぼくは思わず、
「よっしゃあ、作せん大せいこう。にんむ完りょう。」
と大きくガッツポーズをした。他にも、家の前で少しの時間いっしょに遊んだり、散歩に行ったりした。そして、少しずつおばあちゃんが元のパワフルおばあちゃんにもどっていった。
 そして、今では前のように元気いっぱいのパワフルおばあちゃんにもどった。キャッチボール、サッカー、ドッジボールなどをいっしょにしてくれる。ぼくのにんむはいったん完りょうしたけれど、これからも、ぼくのパワーをとどけて、大好きなパワフルおばあちゃんをささえてあげたい。これからも、ずっとパワフルおばあちゃんでいてほしい。

「大好きなパワフルおばあちゃんが元気がない」それに気付いた宮﨑くんが、何か力になりたい。何ができるだろう。と一生懸命考え、行動する、おばあちゃんへの愛があふれる作品です。
 作せんを実行する時の思いや喜び、それに対するおばあちゃんの様子、なかなか元気にならないおばあちゃんを見て作せんの是非を問う姿など、会話文や心内語を効果的に用いることで、気持ちの変化がより伝わってきます。
 家族の変化に気づくこと。そして、考えたことを行動にうつすことができる宮﨑くんが素晴らしいです。これからもそんな素敵なパワーをたくさんの人におすそわけしてあげてくださいね。

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