作文コンクール 
くらしの文集

 

4年生の作品

4年生  「小さな親切」運動賞

そうじ、手伝ってもいいですか?

荘山田小 四年 𠮷 岡 大 智

 ぼくが住んでいる中央地区は、とてもすてきな町だ。登下校の時に、ボランティアのおじいさんが見守りをしてくれていたり、自分が使ってもいない公園をそうじしてくれたりする。校長先生や教頭先生も、朝早くから通学路に立って、気持ちのよいあいさつをしてくれる。
 ある日、友達と遊ぶ約束をしていたぼくは、いつもの公園へ向かった。そこには、いつも登下校で見守り活動をしてくれているおじいさんが、一生けん命、公園のそうじをしていた。ぼくは、(自分が遊ぶわけでもないのに、なぜ、こんなにがんばってくれているんだろう。)と思った。作業用の服を着たおじいさんは、落ち葉を拾ったり、ごみを集めたり、草を抜いたり、たくさんの作業をたった一人でこなしていた。
 おじいさんは、ぼくのおじいちゃんとちょうど同じくらいのとしに見える。(足もこしもいたそうだな。)と思ったぼくは、友達に相談した。
「いっしょに手伝わない?」
 友達はあっさり
「いいよ。」
と、言ってくれた。それからぼくたちは、そのおじいさんに声をかけた。
「そうじ、手伝ってもいいですか。」
 おじいさんは、にっこりした顔で、
「これでやるといいよ。」
と、そうじ用の道具を手わたしてくれた。そして、おじいさんは、
「この辺をたのむね。このほうきで、こうやってはいてみて。もし、必要だったら、この中から取ってね。」
と、道具の使い方を細かく教えてくれた。ぼくと友達は、教えてもらった通りに作業を進めた。時がたつのをわすれてしまうくらい集中していた。ふと辺りを見ると、公園は見ちがえるほどきれいになっていた。ぼくと友達は顔を見合わせて、心の中でガッツポーズをした。
 おじいさんが、
「きれいになったよ。ありがとう。」
と、声をかけてくれた。しかし、ぼくの心の中は、(ありがとうはこちらから言わないといけないのに…。何て良い人だ。)という気持ちでいっぱいだった。
 次の日の朝、いつものように見守り活動をしてくれているおじいさんに出会った。なぜだか、ぼくたち二人の間には心地よい空気がただよっていた。
 いつもの公園、いつもの通学路など、何気ない日常は、たくさんの人のやさしさで支えられていると感じた。ぼくも大きくなったら、だれかのために動ける大人になりたい。あのおじいさんは、ぼくの目ひょうだ。
 ぼくは今日も、おじいさんに元気よくあいさつをする。
「おはようございます。」
「はい、いってらっしゃい。」

 「何気ない日常は、たくさんの人のやさしさで支えられている」ことに気付くのは簡単なようで難しい。そこに目を向け、迷いながらも行動し、自らの生き方にまで考えを及ばせた𠮷岡さんの成長がしっかり伝わってくる文章です。
 地域のおじいさんの思いやりが𠮷岡さんたちを変えたように、今度は𠮷岡さんたちの思いやりが周囲の人々の行動を変えていきます。循環する思いやりが、新たな「親切」へとつながっていくことでしょう。
 私たち大人も、自分自身を省みるよいきっかけを与えてもらったのではないでしょうか。

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