作文コンクール 
くらしの文集

 

3年生の作品

3年生  特選

そら豆君とそら豆三姉妹

阿賀小 三年 増 田 結 莉

「ちょっとお手つだいおねがい。」
とお母さんがわたしと妹をよんだ。台所に行ってみると、緑色の何かがかごにたくさん入っていた。(いったい何だろう。)えだ豆のような形。でも、それよりもっと大きい。
「これなあに。」
とお母さんに聞くと、
「そら豆よ。」
と教えてくれた。さやの外し方を教えてもらいながら、そっと中を開けてみた。(えっ。なにこれ。)ふわふわの白いわたのようなものにつつまれて、そら豆が一つずつたから物のように入っていた。それを見て妹が、
「かわいいな。ふとんでねているみたい。」
と言った。わたしはそら豆を見て頭の中で何か引っかかっていた。(これ、どこかで見たような。)少し考えているとすぐに頭にうかんできた。(思い出した。ようち園のころ、絵本で読んだことのあるそら豆君だ。絵本の中で、いつもふかふかのベッドでねていたのはこういうことだったんだ。)小さいころに読んでいた絵本のなぞがすっととけたような気がして、この発見にとてもうれしくなった。
 それから妹とそら豆のさやをむいた。むくのは少しむずかしかったけれど、ずっとやっているうちにだんだんなれてかんたんになった。すると、そら豆が三つ入っているものがあった。そら豆が三つ入っているのを見て、わたしが三姉妹だからこのそら豆も自分と同じ三姉妹なのかなと思い、なんだかうれしくなった。一番大きいそら豆が長女のお姉ちゃん。二番目に大きいのが次女のわたし。そして、一番小さいのが三女の妹。(わたしたちと同じだな。)
 そら豆をゆで始めた。においは苦手だった。食べてみたけれど、味も正直おいしいと感じなかった。お母さんがフライにしてくれたけれど、やっぱりしたにのこる味が苦手だった。
 お母さんは子どものころからそら豆がすきだったようだが、お父さんは、子どものころは苦手だったようだ。けれども、大人になったらすきになったと話してくれた。(少し大人の味なのかな。)いつかわたしも食べられるようになったらいいなと思った。
 食べ終わったときにお母さんが言った。
「そら豆はほかの野さいとちがって、しゅんの季節にしか取れないから、次に買ってくるのは来年の今の時期くらいなんだよ。」
 わたしは、トマトなどの野さいはいつでも食べられるのが当たり前だけど、そら豆はしゅんのときにしか食べられないことをはじめて知った。
 味は苦手だったけれど、さやをむくのが楽しかったので、また来年もやりたいと思った。
 わたしもしょう来、自分の子どもにそら豆のさやをむいたときのおどろいた気持ちを味わってほしいと思った。また来年も、そら豆の三姉妹に会えるといいな。

料理の手伝いの中で発見した気付きを、過去に読んだ絵本の登場人物と、自分たち三姉妹を結び付け、表現豊かに書かれた作品です。
 「ふわふわの白いわた」「たから物のように、ふとんでねている」などの描写は、そら豆をさやから外した様子が豊かに表現されています。
 増田さんにとって少し大人の味だったそら豆でしたが、三つならんだそら豆を自分たち三姉妹に見立てて、愛着をもった様子も伝わってきました。
 来年食べるそら豆三姉妹は、お口にあうかな。次、会えるのが楽しみですね。

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