作文コンクール 
くらしの文集

 

6年生の作品

6年生  特選

地域の会社とともに

両城小 六年 中 野 桜 来

 私達の校区には、グレーチング工場があります。その工場長さんから、昨年、両城小学校の五年生にこんな依頼文が来ました。
「毎年、グレーチングのことをしっかり学習してくれる両城小学校のみなさん、今年は、新商品の企画書をつくってみてください。」
というものでした。採用されれば試作品をつくってくださるというのです。
 でも私は、(グレーチングって何だろう。何のためにあるのだろう。)という疑問からのスタートでした。
 調べていくと、道路わきの溝のふたであることが分かりました。金属でできた溝ぶたは意外にも学校の中でたくさん見つかりました。(今まで気にして見たことがなかったんだな。)と気付きました。(どうやってつくるのかな。)この課題を解決するために、グレーチング工場に見学に行くことになりました。
 工場には、今まで見たこともないような機械がありました。工程に合わせて様々な機械があり、予想していたよりも速く、そして大量につくられていることが分かりました。国内のグレーチングの約四十パーセントを製造しているというこの会社は、機械を自分の会社で開発していると聞き驚きました。金属のぼうが格子状にくっつけられて出来ていることが分かり、私はグレーチングに興味をもつようになりました。
 この日から、道を歩く時に足元を気にするようになりました。何気なく踏んでいたグレーチングが、もし無かったらと考えるようになり、その重要性や安全性にも気付きました。
 そんな時、先生が
「こんな形のグレーチングを見つけたよ。」
と、円い形や平行四辺形のものや、電柱をよけるように切られたグレーチングの写真を見せてくださいました。
「長方形のものは流れ作業でつくっていたけど、こんな変わった形だったら機械では無理だよ。」
とみんなで話し合いました。そこで、もう一つの工場へ見学に行くことになりました。両城小学校の近くにある工場では、大量生産だけではなく、バーナーを使い注文に応じて、一つ一つ手作業でグレーチングを切断していました。
 しかし、そこでびっくりしたことがあります。手作業の製品は、一品ものだから利益があまりなく、会社の売り上げのたった五パーセントだというのです。なぜ手作業の製品をつくるのだろうと、クラスのみんなで調べていきました。
 すると、東京スカイツリーや北海道新幹線、東北新幹線の点検通路、発電所の通路など、手作業のものも全国から注文が来ていることが分かりました。手作業のグレーチングをつくっている会社は、国内にほとんど無く、消費者の要望に合わせて製品づくりをしている貴重な会社であることが分かりました。「手作業の製品を必要としているお客さんがいる限り、利益が少なくてもやめません。」という工場長さんのお話を聞いて、私はほこりに思いました。(両城の町に、こんなすごい会社があるんだ。)と自慢したい気持ちになりました。そして、この会社からいただいた企画書のことが気になり始めました。初めは、あまり気にしていなかったグレーチングでしたが、新しい製品を考えてみようという思いに変わりました。
 私は、音が鳴るグレーチングを考えました。それは、目の不自由な人に役立つかもしれないと思ったからです。設計図に説明を入れて、新企画書をつくりました。
 五年生も終わりに近づいた三月のある日のことです。三名の工場の方が、私たちの教室に来てくださいました。私たちが企画したグレーチングの製品を持って……。
 みんな大喜びで周りに集まりました。両城小の校章が入ったもの、滑り止めのゴムが埋め込まれたもの、グレーチングを曲げて傘立てにしたもの、小銭が落ちないように斜めに組まれたもの、センサーで光るもの。残念ながら私が企画したものは無かったけれど、友達のアイデアが実現したたくさんの製品に、みんな興ふんしてさわりました。そして、
「夢が形になったみたいだね。」
と感動し合いました。一番感動したのは、
「みなさん、良いアイデアを考えてくれてありがとう。」
とお礼を言われたことです。こちらが感謝しているのに、逆にお礼を言われて、本当にすごいことだなと思いました。そして、地元にこんな素敵な会社がある両城の町が、もっともっと好きになりました。
 今朝も、集中下足にある両城小にしかないグレーチングを見つめ、登校です。

「グレーチングとは何だろう。何のためにあるのだろう。」という疑問からスタートし、調べていくうちにグレーチング技術の奥深さや工場長さんの信念に触れ、「工場の新企画に積極的に関わっていきたい。」と思うまでに気持ちが高まってきます。課題を発見し、解決していく過程を巧みな文章構成と臨場感ある表現で見事に書き切っています。
 友達の企画が実現したことを自分のことのように喜んだり、工場の方の言葉に感動したりしている、中野さんの素直で温かい人柄がにじみ出る描写が多くありました。これからも地域を愛する心を大切にしてくださいね。

前のページに戻る

お問合せはこちら   もみじ銀行  経営管理部  電話:082-241-3043(平日午前9時~午後5時)

Copyright(C)  THE MOMIJI BANK, Ltd. All Rights Reserved.