作文コンクール 
くらしの文集

 

6年生の作品

6年生  「小さな親切」運動賞

この宮原で生きる私 〜Live in 宮原〜

宮原小 六年 加 島 さくら

「宮原のまちは、お年寄りが多いのに坂が多くて不便なんよ。」

 私たち六年生は、総合的な学習の時間に宮原の良さと課題について調べていた。放課後友達と宮原まちづくりセンターに取材に行ったときに、職員の方から聞いた「宮原の課題」だった。確かに、子どもでも坂は大変だし、疲れると思っていたけれど、お年寄りにとってどうかという視点で宮原について考えたのは初めてのことだった。

 一ヶ月ほど前のことだった。中学生の兄が地域のお年寄りの方のごみ出しを手伝うということで、朝の六時半には家を出て行ったことを思い出した。部活動の友達と集合してお年寄りの家々を回るという。中学校で取り組んでいる「一人じゃないよ事業」というそうだ。私は、兄が出かけて行くのを、のんびりとパジャマ姿で眺めながら、(お年寄りの方は喜んでくれるかもしれないけれど、朝早く出て遠いところの、しかも坂の上の方まで行くなんて……。ごみも重いし大変そう。)と思っていた。

 しかし、学校で宮原のいろいろな課題の解決方法をみんなで考えていくうちに、私の中で少しずつ何かが変わってきたと思う。宮原のまちには、「坂道問題」や「高齢化問題」があるが、それを解決するのが難しいことも分かってきた。と同時に、私は、まちで出会うお年寄りについつい目が行ってしまうことが増えてきた。

 小学校に通う道にいつも立ってくださるおじいさんがいる。これまでは毎朝、

「おはようございます。」

と、あいさつをして通り過ぎるだけだった。しかし、雨の日にもかさを差し、カッパを着て私達の登校を見守ってくださっているということに気付いた。兄に聞くと、兄が小学生のときから立ってくださっていたそうだ。おそらくその前もずっと、もう何年も私たちを見守ってくださっているのだ。しかも、その方は、学校の畑やうさぎの様子も見に来てくださっている。休みの日にも来てくだっていると、先生から聞いたことがある。私は、(宮原の子ども達のことを考えてくださって、本当に親切で温かい方だな。)と会う度に思う。だから私は、この方に出会うと、

「いつもありがとうございます。」

と言うようになった。

 また、私の家の近くに住む別のおじいさんは、病気をされてから足が不自由になられたのに、いつも地域のために働き、自分のことは自分でされている。去年の地域のお祭りが終わった後、夕方薄暗くなってから、地域の家を取り巻いているしめ縄を一人で外している姿を見かけた。母が、

「手伝いに行くよ。」

と言ったので、お祭りで一日歩き疲れていた私は、内心(誰かやってくれるんじゃないの。)と文句を言いそうになったが、仕方なく手伝った。母と兄と私で、高いところのしめ縄を外す作業、白い紙を外す作業をくり返しながら、延々長く続けていった。作業は一時間くらいかかった。この作業をおじいさんは、一人でされようとしていたのだ。作業してみて、初めて(こんな仕事、何でこのおじいさん一人がしなくちゃいけないの。)と誰にという訳ではないけれど、腹が立ってきた。

「ありがとう。」

と、おじいさんは笑っていた。

 ある日、そのおじいさんが、一人で薄暗い中、台車を押して新聞紙や段ボールを捨てに行くのが二階の窓から見えた。重い荷物をゆっくりゆっくり一歩一歩運んでいた。ドタドタドタ。私は階段をかけ下りた。

「ママ、大変。危ない。行ってあげて……。」

しかし、私の話を聞いた母は、

「自分で言って声をかけてみなさい。自分で気が付いたんだから。」

私が迷っている間に、おじいさんは少しずつ進んでいく。(待って。)走って追いかけて。

「お手伝いしましょうか。」

「ああ。うん。大丈夫。ありがとう。」

おじいさんは、自分のことを人任せにせずに自分でやり切る人。体が不自由なのに、周りの人を思いやることができる人。

 宮原のまちは、お年寄りが多いのに坂が多いという課題があるまち。でも、尊敬できるお年寄りがいる。困難な課題を解決しようと地域こうけんをがんばる中学生がいる。私にもできることはあるのだろうか。私は、私にもできることを見付けて、地域の人同士助け合って生活する一員になりたい。

 今、宮原小学校の六年生は、宮原のまちの良さをPRしたり、課題に対して自分たちにできることをしたりしようと計画している。私が考える宮原の良さは、地域の大先輩であるお年寄りが支えてくれているまちの温かさ。私は、そんな宮原のまちで生きていく。

「総合的な学習の時間」の活動で、地域の課題に気付き、そこに目を向けて生活し始める加島さん。
 地域の様子を注意深く見ていると、地域のためにがんばっている中学生や、高齢者の方々がたくさんいることに気付きます。そして、自分にできることはないかと考えます。
 地域の課題を見つめることから、地域の良さに気付き、考え方が変わっていく様子が巧みに表現されている作品です。
 加島さんが、今後、「総合的な学習の時間」でどんな素晴らしい取組をしていくのか、とても楽しみです。

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