作文コンクール 
くらしの文集

 

5年生の作品

5年生  特選

ぼくが目指したい姿

昭和西小 五年 山 井 智 太

 ぼくには目指したい目標の人がいます。いつもぼくのそばにいてくれるぼくの親友です。
 学校の二分の一成人式のときに、しょう来の夢を考えるときにお父さんがテレビのニュースを見ながら
「大谷選手ってすごいよね。智太はしょう来どんな人になりたいの。」
と聞いてきました。ふと頭にぼくの親友のことがうかびました。ぼくはお父さんにその親友の名前を挙げました。
 ぼくの親友は、とても思いやりがあって、人にやさしく接することができます。正義感があって、自分の意見をしっかりもち、何でも積きょく的に取り組むことができます。ぼくがその親友を目指したい理由は、そんな姿がかっこいいと思ったからです。
 ぼくがけんかになって困っているときには助けに来てくれます。ぼくが間ちがったことをしたときには、
「もっとこうしたほうがいいよ。」
とやさしくアドバイスをしてくれます。
 だけどぼくは親友とちがい人との付き合いが苦手です。ぼくの何気ない一言で、友達を悲しませたり、おこらせたりすることがあります。そんなつもりはなかったのに、お姉ちゃんや友達とけんかになったこともあります。だから親友や両親に
「見たまま、感じたまま本当のことだからといって何でも言っていいわけじゃないよ。」
とよく注意されます。
 そんなとき、ぼくにとって自分の伝え方について考えさせられる出来事がありました。それはほんのささいなことで、クラスの友達と言い合いになっていたときのことです。ぼくの親友がすぐにとめてくれました。そのとき親友に
「今の言葉は傷つくからやめたほうがいいよ。」と言われました。ぼくは、頭では分かっていたけど素直にそれを受け入れることができず、
「ぼくのことはほっといて。」
と、つき放すように言ってしまいました。そのときの親友の顔はとても悲しそうな、あきらめたような表情でした。それからその親友とはきょりが遠くなったような気がしました。そのときやっと気付きました。ぼくが変わらなければいけないと。
 しかし、ぼくは変わらなければいけないと分かっていても、どう変わっていけばよいのか分からず、なやんでいました。するとその様子を見ていたお母さんに、
「最近仲の良い友達と遊ばないね。何かあったの。」
と聞かれました。ぼくは最初はお母さんに何があったのか話したくありませんでした。お母さんに話すとあれこれ聞かれてめんどくさいと思ったからです。だけどそれでは何も変わらないと思いました。だから勇気を出してお母さんに親友を悲しませたことを伝えました。するとお母さんが、
「そんなことがあったんだね。親友はせっかく智太のことを思って言ってくれたのに悲しませる結果になって、友達も智太も悲しかったね。」
と思いがけない言葉を口にしました。お母さんをおこらせると思ったのに、ぼくの気持ちによりそって考えてくれたので、思わずなみだがこぼれそうになりました。ぼくはお母さんと一しょに今後のぼくの目標について考えました。
 一つ目は今後何気ない一言で人を傷つけないように、言葉づかいに気をつけること。二つ目は一度頭の中で相手にどう伝えればよいのか考えて言葉にすること。三つ目は口から出た言葉に責任をもち、間ちがったときはみとめてあやまることです。
 ぼくはすぐに学校で決めた目標をためしてみました。今までのぼくだったら相手の気持ちを考えずに思っていたことをすぐに口に出して人を悲しませたり、おこらせたりしていました。でも、目標を決めたことで、休けい時間、人と話すときに、一度頭の中でそれを言われた人の気持ちを考えることができました。すると友達を悲しませたり、おこらせたりすることがへりました。間ちがえた言葉に気付き、自分からあやまることで、すぐにけんかがおさまりました。
 これからも友達との関わりが上手くいかなかったり失敗したりすることはあると思います。しかし、その失敗をそのままにせず、どうして失敗したのかをふり返って考えていきたいと思います。ぼくの大切な人達、これから出会う人達と笑顔で話していけるようにしていきます。昭和西小学校の高学年として、ぼくの親友のように、だれに対しても思いやりがあって、人にやさしく接することができる人になるために、これからも決めた三つの目標をいつも意識してがんばりたいと思います。ぼくが目指す姿に向かって。

身近な人達の中に、目指したい人がいる山井くん、日々自分の生活を見つめ成長することができますね。
 自分の課題というのは、なかなか自分では自覚しにくいものです。しかし、山井くんは、自分の性格や苦手としていることに悩んだり、迷ったりしながら、自分自身と向き合おうとしています。「思わずなみだがこぼれそうになった。」など、感情を直接的に表すのではない表現の工夫が、読み手へのメッセージとして伝わりました。
 目指す姿に向かって、これからも取り組んでいけることを信じています。

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