作文コンクール 
くらしの文集

 

5年生の作品

5年生  もみじ銀行賞

私達の神楽でふるさとを元気に

蒲刈小 五年 小 寺 咲 依

「すごいな、五・六年生。」

 今年の三月、学校では五・六年生の神楽の公演が行われていた。

 私は、鬼の立ち回りに目をうばわれた。鬼も神もすごいスピードで回っている。太鼓の音がどんどん大きくなって鬼がたおれたら、

「よいしょ。」

かけ声で盛り上げる。

「四月から、私も神楽を受け継ぐんだなあ。」

ワクワクする気持ちでいっぱいになった。

 一つ年上のお兄ちゃんから、五・六年生は蒲刈を元気にするため、町おこしとして神楽をやっていると聞いていた。二月ころから毎日のように太鼓やかねのリズムが学校中に響いてくるのを聞くうちに、(四月からは)という思いがだんだん自分の実感となっていた。

 今、私は、神楽団の一人として手打ちがねという楽器を担当している。本当は小太鼓がやりたかったのだが、オーディションで手打ちがねに決まった。少しくやしかったが、どの楽器も一つずつの音を出す大事な存在だからと思い直して、練習を始めた。

 六年生や先生に教えてもらいながら、みんなで合わせる時間だけでなく、休み時間もずっとやっている。今年は、学校を舞台とするのではなく、どこで公演をやるかをみんなで話し合った。

「どこでやったら、もっとたくさんの人に来てもらえるかね。」

「許可がでるかね。候補の所には早めに聞いてみんといけんね。」

 その結果、電話で依頼して決まったのは、夏の県民の浜である。暑い夏に神楽の面や衣しょうをつけて舞うのも、力いっぱい音楽を演奏するのも大変である。でも、蒲刈の中で一番人が集まる場所と時期を考えて、「夏の県民の浜」に決定した。

 次は、そのせん伝方法である。

「ポスターはどう。」

「フェイスブックは。」

色々と案が出た。私達は演奏するだけではなく、やるからにはたくさんの人に見てもらいたいと思っている。

「蒲刈の町を元気にしたい。」

そんな思いで昨年度から始まった神楽。私は、まだまだ六年生のレベルには追い付いていないと感じることが多い。なぜ神楽に取り組んでいるのかという思いも六年生ほどではないのかもしれない。一言で「蒲刈の町を元気にしたい」と言っても、神楽にいたるまでには町の人へのインタビューや聞き取り、そして教えてくださる宮乃木神楽団の方との出会い、一つ一つを教えていただきながら自分達で作り上げていった舞台を経験した六年生だ。

 七月三十日の県民の浜での公演に向けて、四か月ぶりに宮乃木神楽団の管沢さんが、様子を見に来てくださった。私にとっては初めての出会いであるが、六年生にとっては久しぶりの出会いであった。みんな力いっぱい練習の成果を出して見てもらえたと思っていたが、期待とは反対にきびしい言葉が返ってきた。

「舞がぬめっとるし、音楽はバラバラじゃ。舞と音楽が合っとらんぞ。」

 私には、

「手打ちがねはね、ただやるだけじゃなく、メリハリを付けてやるんよ。」

とお手本を聞かせてくれたり、私の手を取っていっしょに音を出す練習をしてくださった。

「バラバラで練習するんじゃなくて、みんなでやる所を決めてやるんよ。それぞれが自分の担当の基本をきちっとやるのはもちろんじゃ。でも、舞は音楽を、音楽は舞を気にしながら、チームで練習するんよ。もっと速くしてとか、逆に遅くしてほしいなど、お互いに注文が出せるチームで練習するんよ。それは、神楽だけではないじゃろ。」

 管沢さんは、きびしいだけでなく、ユーモアも交えながら練習のやり方を教えてくださった。私は、管沢さんの言葉を聞きながら、

「やっぱり神楽はチームワークでやるんだな」と思った。

 今、私たちは、七月の神楽の公演に向けて練習している。うまくできないこと、失敗することもあって大変だが、声をかけ合ってがんばっている。「音楽は舞を、舞は音楽を」支え合っていきたい。そんな私たちの神楽を見に来てくれた人が、感動してくれたらうれしい。そして、蒲刈の人が元気な気持ちになってくれたら最高だ。

高学年の公演を見て、神楽に対するあこがれをもった小寺さん。五年生になり、手打ちがねの担当として練習に励みます。練習を続けていくうちに小寺さんは、様々なことに気付いていきます。初めての神楽を作り上げてきた六年生の苦労や「蒲刈の町を元気にしたい」という強い思い…心情の変化が手に取るように描かれています。特に、伝統を守り抜いてきた指導者の方の重みのある言葉は、作文全体を引き締めています。指導者の方の言葉で小寺さんはチームワークが神楽を作り上げていくことに気付いたのですね。蒲刈の方に元気をおくる神楽、期待しています。

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