作文コンクール 
くらしの文集

 

4年生の作品

4年生  特選

小さな目ひょう

呉中央小 四年 岸 田 さくら

 わたしは六才のときにピアノを習い始めました。始めたころは、ただ楽ふ通りにひくことでまん足していました。一週間で新しい曲を練習し、丸をつけてもらい次の曲に進むことがピアノの練習だと思っていました。
 でもちょうど今から一年前、九才になったころ、なかなか丸がもらえずに、ピアノが楽しくなくなりました。そんなとき、わたしは自分の弱点に気がつきました。楽ふを読むことが苦手なので、音をおぼえて楽ふを読まずにひいていたのです。だから新しい曲がか題になる度に、音をおぼえるまで時間がかかっていたのです。
 ピアノの先生はそれに気がついていたようで、相談すると「音ぷカード」をしょうかいしてくれました。音ぷを読むことを「ふ読」と言うそうですが、そのふ読のトレーニングをするカードです。タイムを計るのでゲームのように楽しくふ読をしているうちに、わたしの苦手な気持ちが少しずつ小さくなりました。
 ピアノのレッスンがまた楽しくなり始めたころ、先生がコンクールへ出場してみるようすすめてくれました。ちょうど気分がノリノリだったので思わず、
「出たいです。出ます。」
と、お母さんに相談せずに答えてしまいました。
 か題曲の楽ふをもらい、まずふ読をしました。これは何とかクリア。早速、音ぷカードの成果が出ました。でも、それからは予想い上に大変でした。強弱のつけ方や、へいたいの行進をイメージしてなど、一つ注意点がふえると他の注意点をわすれてしまいます。
 なかなか思い通りに上達しないのでなやんでいたら、お母さんが、
「毎日、一つずつ小さな目ひょうを立てて、そこだけに集中して練習してごらん。」
とアドバイスをしてくれました。わたしは(そんな進め方でコンクールに間に合うのかな。)とふ安になりましだが、一週間それをためしてみることにしました。
 一日目は強弱を意しきしました。二日目はアクセントがらんぼうにならないように気をつけました。こうして次のレッスンに行くと、自分でもおどろくぐらい、落ち着いてひけました。先生が、
「今日のさくらちゃん、すごいよ。どうやって練習したのかな。」
と聞くぐらいでした。わたしは「毎日小さな目ひょう作せん」のことを教えてあげて、少しうれしくなりました。
 そして毎日小さな目ひょうをクリアして、いよいよコンクールの日になりました。お気に入りのドレスを着て、自分のじゅん番を静かに待ちました。わたしと同じ曲をひく他の人のえんそうが聞こえて、(わたしより速くひくんだな。)とか(やさしい音だな。)と、まるでしんさ員になった気持ちできいていました。自分の名前がよばれたとき、体がピクッとしました。(あぁ、これがきんちょうしてるってことかな。)と少しこわくなりました。でも毎日目ひょうを立ててクリアしてきたことを思い出して、本番のための目ひょうをその場で考えました。それは「自分のテンポを守ること」です。
 本番のえんそうをどうひいたのか、いつ終わったのかおぼえていません。でもきいていた先生や家族がとてもほめてくれたので、きっと上手にひけていたんだと思います。
 次のピアノのレッスンのときに、先生から次のコンクールのお話がありました。わたしはまた、
「出たいです。出ます。」
とすぐに答えてしまいました。次も同じ「毎日小さな目ひょう作せん」で、がんばってみようと思います。そしてこの作せんが成こうしたら、次は苦手な漢字練習にも取り入れてみようかなと思っています。

楽ふを読むことが苦手だった岸田さん。ピアノの先生がしょうかいしてくださった「音ぷカード」や、お母さんのアドバイスによって、コンクールで上手にひけるようになりました。
 苦手なことや難しいことを一つずつクリアしていく様子が細かに描写されており、「毎日小さな目ひょう作せん」が自信につながっていくのがよく伝わります。
 ピアノで学んだ「毎日小さな目ひょう作せん」をぜひ、他のことにも生かしてください。

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