作文コンクール 
くらしの文集

 

4年生の作品

4年生  特選

わが家の料理教室

横路小 四年 土 井 愛 子

 トントントン。ザクザクザク。
 ほう丁を使っている音だ。
 四月のはじめ、四年生になったわたしは、何でもやってみたい気持ちがあふれていた。
「お母さん、何を作っているの。」
と、ほう丁で野さいを切っているお母さんに聞いた。すると、お母さんは、
「野さいサラダよ。」
と答えた。わたしは前からほう丁を使ってみたかった。一年生のころに、
「ねえ、わたしにもほう丁使わせて。」
と、お母さんにたのんでみたことがあった。
「まだ、だめよ。あぶないんだから。もう少し大きくなったらね。」
と言って使わせてくれなかった。早く大きくなりたいなあと強く思ったことを思い出した。
「ねえ、お母さん。わたしやってみたい。四年生になったんだから。ほう丁使ってもいいでしょう。」
と言うと、お母さんはしばらく考えてから、
「仕方ないわね。いいわよ。四年生になったもんね。それじゃあ、使ってみる。」
「うん。」
 わたしはうれしさで心がはじけそうだった。
「それじゃあ、このほう丁を持って、きゅうりを切ってみよう。手を切らないように、左手はねこの手にしてね。」
と、お母さんがアドバイスをしてくれた。そこで、わたしはお母さんに教わった通り、左手をねこのように丸くした。
 ザク、ザク。一回切るごとに、手を切らないようにするきんちょう感で手がふるえていた。そのとき、お母さんが言った。
「そんなに固まらないで、かたの力をぬいて切ってごらん。」
 わたしは、一回深こきゅうして、かたの力をぬく。(よし。)ほう丁を持って、手をきゅうりにそえた。
 トントントン。かたの力をぬいたせいか、さっきよりもすんなりと切れている。それを見ていたお母さんが、
「上手。その調子でがんばって。」
と言った。わたしがリズムに乗って切っていると、トントン、ザク、コロコロコロ。切ったきゅうりがまな板からボールのように飛び出していく。あわてて拾って、洗ってもどす。そんなことを何回もくり返して、きゅうりを一本切り終えた。
「やったあ。最後まで切れたあ。」
 わたしは、思い切りさけんだ。はじめはなかなか進まなかったけれど、切っていくうちに少しずつ上達できたと感じた。お母さんは、
「おつかれ様。よくやったね。せっかくだからサラダを作ってみようか。」
「うん、やる。何を入れるの。」
「トマトとりんごとレタスを入れようと思っているのだけど、何か入れたいものがある。」
 そこで、わたしは冷ぞう庫を調べた。(いいものがあった。)わたしが手にしたのはハム。
「それはいいね、ハム入りのサラダはおいしいよね。」
 お母さんもまん足そう。(ようし、これでおいしいサラダができるぞ。)
 わたしとお母さんはサラダ作りに取りかかった。レタスをちぎって、リンゴを切って、ハムを切って、そしてお皿にもりつけた。最後にミニトマトを真ん中においた。
「よし、これで完成。」
「よし、これで完成。」
 二人の声が重なった。思わず顔を見合わせて、にこっとわらった。
 それから、お父さんをよんだ。お母さんが
「これ、あい子が作ったんよ。」
と言うと、お父さんは、
「わあ食べるのが楽しみ。」
と言った後、おいしそうに食べてくれた。わたしが作った初めての料理、大成こう。これからも、おいしい料理をたくさん作りたいな。

「トントントン。ザクザクザク。」という擬音語の書き出しで、読み手を引き付けます。
 ほう丁を使っている音は、作品の中で「ザクザク」から「トントン」へと変化しており、ほう丁の使い方に少しずつ慣れていく様子が、豊かな心情表現とともに巧みに表現されていて臨場感のある作品です。
 お母さんに教えてもらいながら、サラダが完成したとき、「よし、これで完成。」とお母さんと土井さんの声が重なったり、顔を見合わせてわらったりする様子から、家族の温かさを感じました。

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