作文コンクール 
くらしの文集

 

4年生の作品

4年生  中国新聞社賞

ぼくが出会った大切な命

横路小 四年 大 西   希

 ぼくは今、一ぴきのねこをかっています。名前はまめきちです。ぼくがまめきちを飼い始めたのは、去年の九月二十一日のある出来事がきっかけでした。

 その日の夕方、母が家の二階のまどから、ぐうぜん、レスキュー車を見つけました。

「向こうの方にレスキュー車が来ているよ。何かあったのかもしれないから見に行ってみよう。」

と、母が言いました。ぼくは、何が起こっているのか不安になり、心配しながら見に行きました。

 そこでは、レスキューたい員が、車のタイヤを外して、車の下にもぐりこんでいました。その車の持ち主に話を聞いてみると、

「車のガソリンタンクの近くにねこが入りこんでいるんですよ。」

と言うことでした。ぼくはそれを聞いてびっくりしました。ねこが無事に出てきてくれるか心配で心配でしかたがなかったです。息をするのもわすれるほど夢中で救助の様子を見ていました。

 いのるような気持ちで見つめていたそのときです。

「ニャーオ、ニャーオ。」

と、子ねこの鳴き声がしました。そして、たい員が大きなこぶしをあげたその手の中に、小さな小さな子ねこのすがたが見えました。ぼくは、ほっとして全身の力がぬける感じがしました。

 ダンボールに入った子ねこをのぞいたとき、子ねこは一度だけシャーッとおこったように鳴きましたが、ぼくの手をひっかこうともかみつこうともしませんでした。ぼくは、この子ねこを(どうしても飼いたい。)と強く思いました。

 家に帰ってから、ぼくは家族に、

「あの子ねこを飼わせてください。」

と、何度もお願いしましたが、だめだと言われ、飼うことはゆるされませんでした。

 その日の夜は、頭の中があの子ねこのことでいっぱいで、ぼくはねむれませんでした。

 ところが、よく朝、おじいちゃんが会社に行く前に、ぼくにこう言いました。

「トイレもえさやりも、全部自分でやれるんだったらあの子ねこを飼ってもいいぞ。」

そのしゅん間、ぼくはうれしくてうれしくて、

「分かった。全部ぼくがやるよ。」

とすぐに答えました。

 さっそく、その日のうちに、ねこ用のトイレやえさを買いに行きました。じゅんびはとても大変でしたが、すべてねこのためです。ぼくは、まったくいやではありませんでした。

 じゅんびがととのい、昼すぎに子ねこをむかえに行くと、そこには、リードをつけておとなしくすわっている白と茶色のかわいい子ねこが待っていました。命を救われた子です。その子をダンボールに入れて家に連れて帰りました。

 家に着いても、子ねこはダンボールからなかなか出ようとしません。耳をふせて、こちらをじっと見ています。

 そこで、ぼくは、えさのかんづめといっしょに買ったねこじゃらしを使ってあやしてみました。すると、おそるおそるダンボールの中から出てきてくれました。そのままぼくの手のひらに乗せたえさを少しずつ食べてくれました。ぼくは、そのすがたを見てほっとしました。

 ぼくがまめきちという名前をつけたのは、救助されたあのとき、豆のように小さくて丸かったからです。あんなに豆のように小さかったまめきちも、今では、たくましくなった両足で家中を走り回っています。

 いろいろな人の手で助けられ、たくさんのぐうぜんが重なって、ぼくの元にやってきた大切な命。これからも、家族みんなでこの大切な命を守っていきたいと思います。

 一つの命に向けられた大西くんの思いが強く伝わってくる作品です。前半では、みんなが見守る中、一ぴきのねこの命が救われていく様子が臨場感豊かに描かれています。読んでいて、助け出されるまでの息を飲む緊張感や助け出された時の安堵感を感じることができました。後半では、助け出された一つの命を自分が大切に守っていきたいという大西さんの強い思いが、ねこの豊かな描写となって表れています。一つの命を大切に守っていこうとする大西さんの思いが輝いている素晴らしい作品です。

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