作文コンクール 
くらしの文集

 

3年生の作品

3年生  特選

友だちっていいな

安浦小 三年 木志田 暁 斗

「いっ。」

 言葉にならないいたみが、ぼくの右足首をおそった。家の前でなかよしの友だちとキャッチボールをしていた時のことだ。ぼくの頭の上を通っていったボールを取りに、畑に入った後、ぐぎっとひねってしまったのだ。いたがるぼくにかけよってくれた友だちが

「大じょうぶ。大じょうぶ。」

と何度も聞いてくれて、いたくてなきそうだったけれど、

「ありがとう。大じょうぶだよ。きっとすぐに治るから。」

となんとかこたえることができた。この時は本当にすぐになおると思ったのだ。

 ところが、おばあちゃんの家でばんごはんを食べ始めると、ずきずきといたみがひどくなってきて、夜になるとねむれないほどいたみが強くなった。

 次の日、病院に行ってレントゲンをとると、はくりこっせつと言われた。おくれて学校へ行くと、なかよしの友だちが真っ先に、荷物を持ってくれた。ぼくの松葉づえを見て、みんなが心配をしてくれた。松葉づえは、わきがいたいし、左足ばかりを地面に着くので、バランスも悪く歩きにくい。階だんは上りにくいし、下りづらい。荷物があると、一人では、い動することもできない。お風ろだって、わざわざビニールをかぶせたり、テープでまいたりしないと入れない。とにかく、自由ではない。さらに、ショックなことに、ちょうど運動会の練習が始まったのだ。ぼくは、今年こそ選手リレーに出場して、優勝したかったのだ。友だちは、ぼくのことを心配して、

「運動会出られるん。」

と聞いてくれた。だけど、出られないことを分かっていたぼくは、あふれそうになったなみだをがまんをするのがせいいっぱいだった。がまんしたら、顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。

 運動会の練習はいつも見学だった。昼休みも、教室で過ごした。でも、ぼくは悲しむのをやめることにした。きっかけは友だちだ。

「荷物持とうか。おれと一しょに教室まで先にもどろうや。」

と、クラスのみんながいつも声をかけてくれたのが、本当にうれしかった。ぼくは、自分からお願いすることはなかった。かわるがわる当たり前のように、みんなが声をかけてくれたからだ。いつもふざけている友だちでさえ、やさしかった。おまけに、ぼくが元気になったときのために、おいわいドッジボールをしようと計画を立ててくれている。

 足をいためて、悲しかったり、不安になったりしたけれど、ぼくは、(友だちっていいな。)という気持ちでいっぱいになった。やっとなおったぼくの左足。自由になったこの体で、今度はぼくがみんなの力になりたいな。

思わぬ足の怪我からの松葉杖をついての生活といった経験したことのない不自由さや不安を素直な表現で伝えています。運動会に、リレー選手として出場し優勝することを夢見るほど、スポーツ大好きな木志田君。そんな木志田君の不安や悲しみを癒してくれた友達のさりげない優しさや思いやりが、木志田君の目線から、読み手に伝わる表現で描写されています。友達の存在のありがたさに胸がいっぱいになり、恩返しを心に誓います。木志田君と友達とのあたたかい関係に心を打たれる作品です。

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