作文コンクール 
くらしの文集

 

3年生の作品

3年生  中国新聞社賞

お兄ちゃんと料理

蒲刈小 三年 鏡 味 桜 雅

「桜雅、かつどん作る。」

 昼前になると、お兄ちゃんが言いました。今日は、お母さんが仕事で、家で兄ちゃんと二人です。ぼくは、

「うん。」

と言いました。

 ぼくのお兄ちゃんは、大学三年生の二十才です。ぼくとは十一才もはなれています。

 ときどき、こうしてぼくに「何かやるか」の声をかけてきます。

「材料を買ってきて。メモに書くから。」

と言われて、メモを見ると、「ネギ、かたくりこ、油、牛肉、ぶた肉」と書いてありました。いつもの近くのフクヤストアーに入って、

「すみません。」

と言ったら、

「いらっしゃい、あ、おう君。」

といつものあいさつ。メモをわたすと、書いてあるものをそろえてくれました。

 材料を買って、

「ただいま。」

と大きな声で帰ると、兄ちゃんは、

「おかえり。」

とちゃんとあいさつを返してくれます。もうご飯がたけていて、

「作るか。」

とぼくに聞きました。ぼくは、(よし、がんばるぞ。)と思いました。

 まず、さらにたまご三個をわってまぜます。これはぼくの役目。次に、お兄ちゃんがかたくりこを二百グラムはかったら、そこに牛肉とぶた肉をたまごにつけてかたくりこをからみつけるのはぼくの番。フライパンに油を入れて、百二十度にねっしてあげるのはお兄ちゃん。きつね色になったら、ご飯の上にのせてし上げのミントをのせたら完成。

 できたのはちょうど十二時でした。お兄ちゃんとほかほかのかつどんを、がつがつ食べました。

「おいしいね。」

と言いながら。たまごとぶた肉と牛肉とご飯の相しょうがバツグンでおいしかったです。

 お兄ちゃんと何かを一しょにすることはあまりありません。年がはなれているので、生活する時間もずれていることが多いからです。でも、お兄ちゃんは、どうも

「桜雅のことたのむよ。」

と、お母さんからたのまれているようで、お母さんが仕事のときなど、こうやってぼくをさそってくれます。

 その他にもぼくを気づかってくれることがあります。買い物に行けば、自分のものだけでなく、必ずぼくのものも買ってくれます。

「おう君の兄ちゃんって、やさしいよね。」

と、人に言われることがありますが、そんなとき、ぼくはむねをはって答えます。

「うん、やさしいよ。」

 今度は何を一しょに作れるかな。

鏡味君とお兄ちゃんのコンビネーションの良さが、会話文と行動を表す文の絶妙なバランスや体言止めの手法によってテンポよく表現されています。おかえりの挨拶をちゃんと返してくれたり、ご飯をたいて待っていてくれたり、買い物に行くときは必ず鏡味君のものも買ってきてくれたりするお兄ちゃん。言葉は少ないけれど、鏡味君を大切に想うお兄ちゃんの愛情があふれています。お兄ちゃんの愛情を受け止め、精一杯応え、お兄ちゃんとの時間を心から楽しむ鏡味君の姿が目に浮かびます。兄弟愛に心がほのぼのするすてきな作品です。

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